輸出入貨物の海上運送、航空運送を柱として、通関、梱包、保管、国内運送 危険物の取扱い、物流管理、システム開発など、その周辺業務を幅広く取り扱っています

トラック予約・受付
システムTruck reservation/reception system

【現場のDX】ハコベル「トラック簿」導入について
トラック予約搬入システム『トラック簿』の導入

大黒物流センターでは搬入トラックの待機時間削減が課題でした。これを「現場のDX」で解決するために2024年4月に搬入トラックの事前予約システム『トラック簿』を導入しました。
導入に至る経緯と導入効果についてQ&A方式で纏めました。

Q. トラック事前予約システムを導入しようとしたきっかけは?

搬入トラックの受付・搬入作業に長時間の待機

A. 大黒物流センターでは、コンソリ貨物の集中やロジ関連貨物の細かい荷降ろし対応などにより、搬入トラックの受付・搬入作業に長時間の待機が発生していました。「物流の2024年問題」や、経済産業省のガイドライン「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組み」で掲げられたルール「荷待ち・荷役作業2時間以内」に対応するため、待機時間の削減は待ったなしの課題でした。 業務効率の向上による待機時間の短縮には限界があり、IT技術を活用した現場のDXを進める事に方針を定め、2023年にプロジェクトチームを立ち上げて予約システム導入の検討を始めました。検証と準備を進め2024年3月に『トラック簿』を導入し4月から稼働させました。

Q. 導入にあたって難しかったことは?

タブレットでのオペレーション

A. 導入したシステムを、トラックのドライバーさんや現場がうまく使いこなし効果が出るか不安な面がありました。

新たなシステムを導入し従来の方法を大幅に変更すると、少なからず不平・不満が生じるものです。

デジタル・アレルギーを持つ人が多い業界なので「トラックドライバーさんや現場が拒否反応を起こすのではないか?」という懸念がありました。 また、想定外にコストが嵩むのではないかという費用面での懸念もありました。

Q. 導入してみて、導入受付や現場の社員の反応はどうでしたか?

搬入受付

A. 搬入受付では、スマホを持っていなかったり操作がうまく理解できなかったりするドライバーさんがいて、初期登録の説明に苦労しました。スマホの機種により操作方法が異なるので、問い合わせに的確に応えられないこともありました。 また、事前に予約されていない搬入は、受付窓口のタブレットで貨物情報を入力して頂くのですが、十分に操作できない方もいらしゃいました。
搬入受付窓口担当者の丁寧な説明と細かな気遣いで徐々に軌道に乗せることができました。

搬入受付の告知

現場では、班長の積極的な取組みにより、思った以上にスムーズに立ち上がりました。
タブレット端末の操作という今までにない工程が増えたものの、従来のように「トラックから降ろした貨物を庫内へ搬入する作業が完了しないうちに次のトラックが入ってきてしまい気持ちが焦る」という場面が無くなり、気持ちに余裕をもって作業が出来るようになっているようです。これは事故防止にも繋がっていると思います。

Q. 導入効果について教えてください。

フォークリフトによる荷降ろしと搬入

A. 導入効果を大きく分けると3点になります。

1.待機時間の削減 ~「待機時間30分以内」を実現~
現在、利用者アカウント数が300以上となり、事前登録率が50%以上になりしました。荷卸し完了まで90%程度の車両が待機時間30分以内を実現しています。
また、従来は先着順の荷下ろだったため、遠方から来られるドライバーさんは倉庫付近で待機して営業開始と共に並んでいましたが、その必要がなくなったため、食事をしたりシャワーを浴びるなどしてゆっくりと休息が出来ると好評価を得ています。
これによって、SNSやドライバー同士の口コミが様変わりしました。かつては「待機が長い倉庫」といったコメントが多くありましたが、そういった口コミが嘘のようになくなりました。

2.車両入場時間の平準化 ~「朝一番集中」からの脱却~
従来は、搬入車両が朝の営業開始時集中し、渋滞が度々発生していましたが、予約を取る事により到着時間が分散したことで、朝8時~9時の搬入件数が減り、車両の入場時間が平準化されています。

フォークリフトに装着したタブレット

3.荷受け作業・庫内作業の作業効率の向上 ~「予約データ」の活用~
予約データの活用により翌日の車両台数と貨物の詳細を、より早くより正確に予測出来るようになったため、荷卸しロットの指定、保管スペースの確保、人員配置などの事前準備を行うことが出来るようになり作業効率が大きくアップしました。
実際に作業に当たっている作業員からは、「一日の入場予定台数や荷物の詳細が可視化され、荷降ろしの優先順位付けが圧倒的にしやすくなった」という感想を得ています。
また、従来はフォークマンがわざわざ待機車両を呼びに行っていたのが、現場を離れずにボタン操作で簡単に次のドライバーを呼び出すことができるようになった点も大きな満足につながっています。

Q. 導入成功の要因は何だと思いますか?

横浜支店と関係者画像

A.推進者・受付担当者・荷役作業者・営業担当者といった関係者が連携しながら導入を進めていったことだと思います。
『トラック簿』導入の目的、荷主や運送会社への案内事項をとりまとめ、実際に顧客と接する営業担当者に説明会を行いました。
営業担当者が荷主に対してそれらを展開し、荷主から運送会社に対して情報共有して頂くという流れで認知が広がり、利用者が一気に増えました。
『トラック簿』を利用した場合の運送会社様のメリットを、配布資料などでしっかりと伝えられたことも利用が広がった要因だと思います。
また、受付担当者がタブレット操作に不慣れなドライバーに対して手厚くサポートを行ったり、未利用のドライバーに対してチラシを配って利用を促したりと、地道な努力を続けたことも見逃せません。
今後は搬出作業への展開を考えています。

内外日東株式会社 横浜支店

内外日東株式会社 横浜支店
倉庫管理課 栗原・岡部